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【BitZeny/仮想通貨】暗号方式Yescryptというとは?

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はじめに

先日、下記の記事でBitZenyとモナコインを題材に仮想通貨(暗号通貨)を扱いました。

そこでBitZenyはマイニングに参加しやすいと記載しましたがその理由は書いていませんでした。

ここでは「Yescrypt とは」「Yescrypt 仕組み」 と気になっている人向けに 簡単に説明してみます。

Yescryptとは?

これは、簡単に言えば宝探しのルールとなります。
実は、ビットコインを中心とした大手の仮想通貨のマイニングは、市販のPCでは太刀打ちできません。

GPUマイニングASIC*1マイニングという言葉を聞いたことがあるかもしれません。要は、市販のPCに積まれているCPUではなく、暗号解読専用のかなり高額の機器を使った人や組織がマイニングに参加しています。

例えば、ASICなんかはビットコインが採用しているSha256dというアルゴリズムに最適化されています。

つまり解読の速さを競っている場面ではなかなかCPUのリソースが貢献しづらくなっています。

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(ビットコイン採掘機なんてものも当時は売れていました)


ただ暗号というのは何もビットコインだけで使われているわけではありません。
それこそ、クレジットカードの取引から日常の電子メールでも用いられています。

そういった意味では、専用の機器を使われたら暗号が解かれやすくなってしまうというのはデメリットでもあり、実際にこのように力ずくで暗号を解こうとする攻撃をASCI Attack 、GPU Attack なんて呼んだりします。

そういった背景の中でBitZenyとは関係なく提案された暗号手法がYescrypt
となります。

つまりGPU Attack や ASCI Attack に耐性を持つような設計がされています。

そして、Yescryptを採用しているのがBitZenyというわけです。
こういった背景もあって、市販のCPU でも参戦がしやすいということもあり話題となりました。
(逆に言えば、CPUでも束になれば解けていまうという暗号は、デメリットでもあります。)

※Yescryptに関しては、こちらに技術的な文章があります。
yescrypt: password hashing scalable beyond bcrypt and scrypt (PHDays 2014)


参考としてBitZenyについて、英語で下記のような文章を見つけました。
When the well known alternative currencies grabbed the market’s attention, this crypto was not to be left behind.
つまりYescryptを採用した暗号通貨は他にもあったことが伺えます。

終わりに

怪しい暗号通貨界隈ですが、技術的な観点ではおもしろい分野なので今後もウォッチしていきたいと思います。

*1:Application Specific Integrated Circuit